物件を探すときに、建物の構造を確認することは大切です。
一口に建物の構造といっても「木造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」ぐらいしか思い浮かばないという人も多いでしょう。
しかし実際には、建物の構造はもっと複雑で、物件を検討するならくわしく知っておきたいところです。
今回は、マンションの構造のうちPC造についてご紹介します。
賃貸マンションを探す前に知っておきたい!PC造とは何か?
PC造は鉄筋コンクリート造の1つで、正式には「プレキャスト鉄筋コンクリート造」といいます。
プレキャストとは「あらかじめ成形した」という意味です。
通常、コンクリート造は現地で型枠を作りコンクリートを流し固めるのに対し、PC造はあらかじめ工場で成形した鉄筋とコンクリート部材を現地で組み立てます。
PC造のコンクリートは現場で型枠に流し込むコンクリートに比べて水密性に優れており、ひび割れが起きづらいのが特徴です。
現場ごとに部材を作らないので、コンクリートの品質を一定に保つこともできます。
組み立てるだけのPC工法は、従来の工法より短期間、少人数で建築できるので、とくにマンションなどの集合住宅では今後さらに増えていくと考えられます。
工場で部材を作る必要があるため、まだ一般的とはいえないにせよ、良質なコンクリートで短工期での建築を可能にするPC造は徐々に普及してきているのです。
賃貸マンションにおけるPC造のメリットデメリット
鉄筋コンクリート造自体が、耐火性・防音性・耐震性に優れているので、集合住宅建築に向いています。
賃貸物件を探すなら、建築構造が耐火性・防音性・耐震性の面で安心の物件は住むのに最適といえるでしょう。
PC造のコンクリートが水密性に優れ、ひび割れが起きづらいのは、建物のメンテナンスの観点からも大きなメリットです。
しかも、コンクリートを工場で一括生産するため、コンクリートの品質にブレがありません。
現場でコンクリートを流し込むのと違い、工期中の天候に左右されないのもメリットです。
残念ながら現状では、一括して鉄筋・コンクリートを生産する工場がまだ少ないので、PC造の物件はあまり多くありません。
そのため工期や工事作業者の人数が少なくてすむにもかかわらず、工事費用は高いのです。
PC造の物件の家賃が相場より高くなってしまうのは、PC工法がまだ一般的でないからだといえるでしょう。
また、デザイナーズ物件に多い打ち放しコンクリート部屋の場合、夏は暑く冬は寒い特徴があります。
断熱性に優れたコンクリート壁にこもった夏の熱や冬の冷気は、エアコンでは解消しづらいのです。







