広々としたファミリー向けの部屋や一人暮らしに向いた部屋、三角形のリビングがある部屋など、賃貸物件によっていろいろな特徴があります。
そのなかでも「鰻の寝床」と呼ばれる物件があることはご存知でしょうか。
今回は鰻の寝床とはどのような物件か、鰻の寝床のメリットデメリットについて解説します。
鰻の寝床と呼ばれる賃貸物件とは?
鰻の寝床とは、間口が狭くて奥行きのある細長い間取りの物件のことです。
鰻が寝床として好む狭い場所と部屋の形が似ていることから、その呼び名が付けられました。
京都の町屋や大阪に多くみられる物件で、一見住みにくそうな形に見えますが、意外にも住みやすいと密かに人気があります。
このような細長い物件が増えた理由は、江戸時代に間口の広さで税金の金額が決められたから、なるべく多くの物件を建てたかったからなど諸説あるようです。
鰻の寝床と呼ばれる賃貸物件のメリットデメリットとは?
細長い間取りである鰻の寝床は一見住みにくそうなイメージですが、この間取りだからこそのメリットもあります。
それは部屋全体が広く見えることです。
奥行きがあり視線が伸ばせる間取りなので、間口が狭くても十分な広さがあるように感じられます。
また玄関から部屋の奥に向けて生活の機能を進めていけることも、このような物件のメリットです。
玄関付近にバス、トイレがある賃貸物件を選べば、奥に向けてダイニング、リビング、寝室という間取りを作ることもできます。
なお、統一感のある家具を選ぶことで、さらに広く快適な部屋を作ることも可能です。
このように自分好みの部屋作りができる点も鰻の寝床のメリットと言えるでしょう。
しかし、間口が狭く細長い間取りだからこそのデメリットもあります。
それは風通しや日当たりが悪い物件が多いことです。
鰻の寝床に限らず、このような点は部屋の向きや立地に影響されやすいですが、細長い間取りだからこそ、その影響を顕著に受けてしまいます。
風通しの悪い部屋はカビが発生しやすいので、そのような物件を選ぶなら常に換気扇を回す、扇風機を窓の外に向けて室内の空気を循環させるなどの対策が必要でしょう。
またメリットとして紹介した「玄関から部屋の奥に向けて生活の機能を進めていける」という点は、場合によってデメリットにもなりえます。
生活の機能を奥行き方向にしか進められないので、キッチンやバス、トイレの位置によっては家具の配置を制限されてしまうのです。
間口が狭いため大きな家具を入れることが難しい、部屋に入れたら思ったより大きかったなどのトラブルもあるので、家具のサイズは事前に測ることをおすすめします。







